MUSICAL INSTRUMENTS OWNED BY SADAO WATANABE
渡辺貞夫氏が使用・所有していた/所有している楽器を分かる範囲でまとめてあります。
アルト・サキソフォン / Alto Saxophone
・タナベ / Tanabe
「(クラリネットを買ってもらった2年後に、親父にせがんで)神保町の楽器店で24,000円の田辺管楽器製作所の楽器を買ってもらいました」[*1]。田辺管楽器製作所は1896年に創業され、海軍軍楽隊に楽器を納品していたようである。1955年に倒産もしくは自主廃業にて事業を終了している。
・King Zephyr
「結構稼ぎもあったので舶来の楽器を買おうと神田へ行きまして、タナベを下取りに出してキングのゼファーというアルト・サックスを買いました。ボディーにUSと刻印して有りましたから、米軍のサービス・クラブ・バンドから出てきたものと思うんですよ。それを40,000円で買いました」[*1]。Kingはかつてアメリカにあった楽器メーカー。
・Buescher SUPER400
「(注文したキングのスーパー20がアメリカから届くまで)借りて使っていました。400でもスペシャルな仕様で、ベルのところにシルバーのロゴ・マークが浮き出ていて、スプリングが全部ゴールドでね。スーパー20が来るまで半年ぐらい使っていました」[*1]。Buescherもかつてアメリカにあった楽器メーカー。
・King Super 20 (neck: Silver Sonic)
「初リーダー作はキングのスーパー20です。憧れの楽器だったのを下倉楽器に発注して、月賦で買いました。180,000円ぐらいでした。憧れのチャーリーパーカーが使っている楽器ということで、(バークリーに)渡米するまで使っていました」[*1]。1961年頃の映像にこのKing Super 20を吹く姿が残されている。
[渡辺貞夫]
・Selmer Mark VI Gold Laquar
「当時ヤマハが輸入を始めたセルマーと、僕のスーパー20を取り換えてくれるというので、セルマーのマークVIを選ばせてもらって、それをアメリカ(留学)に持っていきました」[*1]。貞夫さんが渡米したのが1962年なので、セルマーのシリアル番号でいうと9万番台半ばではないかと推測される。アメリカン・セルマーかフランス・セルマーかは不明。1968年のブラジルでの初レコーディングおよびニューポート・ジャズフェスティバルの頃まで使われた。タクシーの追突事故で全損し、現存していない。
[SADAO MEETS BRAZILIAN FRIENDS]
・Selmer Mark VI Gold Plated #178620
バークリーにも持っていったMark VIが帰国後にタクシーの追突事故で全損してしまい、その補償で1968年頃購入した。以来ゴールドプレートを愛用するにようになる。1969年3月に発売された16作目のリーダーアルバム[SADAO PLAYS BACHARACH & BEATLES]のジャケット写真にこのGPが確認できる。
[DEDICATED TO CHARLIE PARKER]
[I'M OLD FASHIONED]
[CALIFORNIA SHOWER]
[MORNING ISLAND]
・Selmer Mark VII Gold Plated #294803
彫刻なし。おそらくアメリカン・セルマーであろう。
[HOW'S EVERTHING]
・Selmer Super Action 80 Gold Plated #318900
1986年に渋谷のせいよう広場で開催されたクラブイベントで、このSA80を使用している映像が残されている。年代から考えて、[ELIS], [MADE IN CORACAO], [VAMOS JUNTOS]などのレコーディングに使われたのではないかと推測される。
・Selmer SA80 II Gold Plated #386939
購入直後の新品の輝きを嫌って少し使い込んだようにしたいと、ベルにご自身でサンドペーパーを掛けてしまったという。しばらくはSA80と交互に使用していた。その後はSerie IIIのSterling Silverをメインで使い始めるが、コロナ禍となった2020年の途中から再びこちらを使用している。
・Selmer Serie III Gold Plated #619448
所有しているのみでレコーディングには使われていない模様。
・Selmer Serie III Sterling Silver #653951
2000年ころ入手。2004年の愛知万博の頃から本格的に使用を開始。
・Selmer Serie III Jubilee Sterling Silver #737478
Jubileeはセルマーのマイナーチェンジ後の名称で吹奏感がやや軽くなっている。[INTO TOMORROW]から使用。
・Selmer Super Action (SBA) #51728
石森管楽器の先代社長から「ぜひ渡辺貞夫さんに使って欲しい」と提供された。
・Selmer Super Action (SBA) Silver Plated #51935
経緯不明。
・Selmer Mark VI Gold Laquar
2003年に放送されたテレビ番組の中で、70歳になって購入したとして、この楽器が一瞬だけ映し出された。キーの形状などからアメリカン・セルマーのゴールドラッカーの前期タイプ(6万番台?)ではないかと推測される。
・Selmer Supreme GP
2021年10月1日のビルボード大阪公演から、最新モデルのSupremeを使っています。
マウスピース / Mouthpieces for Alto
リード
・アルト用: Vandoren Traditional 2-1/2 (いわゆる青箱)
2019年2月19日の横須賀美術館で開催された野口久光さんを偲ぶ菅原正二氏とのトークショーで、「バンドーレン(野中貿易)のエンドーサーなので青箱30箱ぐらいが年間5回ほど送られてくる。昔はハンドセレクトがあったが今はないので使えるのは10枚中3枚ぐらい。ジャズ用のリード(おそらくJavaのこと?)はティップが厚いので近鳴りで長持ち。自分が使っているのはジャズ用ではないため、ティップが薄いので、本番ステージでへたってくる。毎日2-3時間は楽器を吹いているが、もうエチュードみたいなのはしていない。時間の半分以上はリード選び」と語っている。
ソプラニーノ・サキソフォン / Sopranino
フルート / Flute
参考文献
[*1] サックス・マガジン vol.3
アルト・サキソフォン / Alto Saxophone
・タナベ / Tanabe
「(クラリネットを買ってもらった2年後に、親父にせがんで)神保町の楽器店で24,000円の田辺管楽器製作所の楽器を買ってもらいました」[*1]。田辺管楽器製作所は1896年に創業され、海軍軍楽隊に楽器を納品していたようである。1955年に倒産もしくは自主廃業にて事業を終了している。
・King Zephyr
「結構稼ぎもあったので舶来の楽器を買おうと神田へ行きまして、タナベを下取りに出してキングのゼファーというアルト・サックスを買いました。ボディーにUSと刻印して有りましたから、米軍のサービス・クラブ・バンドから出てきたものと思うんですよ。それを40,000円で買いました」[*1]。Kingはかつてアメリカにあった楽器メーカー。
・Buescher SUPER400
「(注文したキングのスーパー20がアメリカから届くまで)借りて使っていました。400でもスペシャルな仕様で、ベルのところにシルバーのロゴ・マークが浮き出ていて、スプリングが全部ゴールドでね。スーパー20が来るまで半年ぐらい使っていました」[*1]。Buescherもかつてアメリカにあった楽器メーカー。
・King Super 20 (neck: Silver Sonic)
「初リーダー作はキングのスーパー20です。憧れの楽器だったのを下倉楽器に発注して、月賦で買いました。180,000円ぐらいでした。憧れのチャーリーパーカーが使っている楽器ということで、(バークリーに)渡米するまで使っていました」[*1]。1961年頃の映像にこのKing Super 20を吹く姿が残されている。
[渡辺貞夫]
・Selmer Mark VI Gold Laquar
「当時ヤマハが輸入を始めたセルマーと、僕のスーパー20を取り換えてくれるというので、セルマーのマークVIを選ばせてもらって、それをアメリカ(留学)に持っていきました」[*1]。貞夫さんが渡米したのが1962年なので、セルマーのシリアル番号でいうと9万番台半ばではないかと推測される。アメリカン・セルマーかフランス・セルマーかは不明。1968年のブラジルでの初レコーディングおよびニューポート・ジャズフェスティバルの頃まで使われた。タクシーの追突事故で全損し、現存していない。
[SADAO MEETS BRAZILIAN FRIENDS]
・Selmer Mark VI Gold Plated #178620
バークリーにも持っていったMark VIが帰国後にタクシーの追突事故で全損してしまい、その補償で1968年頃購入した。以来ゴールドプレートを愛用するにようになる。1969年3月に発売された16作目のリーダーアルバム[SADAO PLAYS BACHARACH & BEATLES]のジャケット写真にこのGPが確認できる。
[DEDICATED TO CHARLIE PARKER]
[I'M OLD FASHIONED]
[CALIFORNIA SHOWER]
[MORNING ISLAND]
・Selmer Mark VII Gold Plated #294803
彫刻なし。おそらくアメリカン・セルマーであろう。
[HOW'S EVERTHING]
・Selmer Super Action 80 Gold Plated #318900
1986年に渋谷のせいよう広場で開催されたクラブイベントで、このSA80を使用している映像が残されている。年代から考えて、[ELIS], [MADE IN CORACAO], [VAMOS JUNTOS]などのレコーディングに使われたのではないかと推測される。
・Selmer SA80 II Gold Plated #386939
購入直後の新品の輝きを嫌って少し使い込んだようにしたいと、ベルにご自身でサンドペーパーを掛けてしまったという。しばらくはSA80と交互に使用していた。その後はSerie IIIのSterling Silverをメインで使い始めるが、コロナ禍となった2020年の途中から再びこちらを使用している。
・Selmer Serie III Gold Plated #619448
所有しているのみでレコーディングには使われていない模様。
・Selmer Serie III Sterling Silver #653951
2000年ころ入手。2004年の愛知万博の頃から本格的に使用を開始。
・Selmer Serie III Jubilee Sterling Silver #737478
Jubileeはセルマーのマイナーチェンジ後の名称で吹奏感がやや軽くなっている。[INTO TOMORROW]から使用。
・Selmer Super Action (SBA) #51728
石森管楽器の先代社長から「ぜひ渡辺貞夫さんに使って欲しい」と提供された。
・Selmer Super Action (SBA) Silver Plated #51935
経緯不明。
・Selmer Mark VI Gold Laquar
2003年に放送されたテレビ番組の中で、70歳になって購入したとして、この楽器が一瞬だけ映し出された。キーの形状などからアメリカン・セルマーのゴールドラッカーの前期タイプ(6万番台?)ではないかと推測される。
・Selmer Supreme GP
2021年10月1日のビルボード大阪公演から、最新モデルのSupremeを使っています。
マウスピース / Mouthpieces for Alto
リード
・アルト用: Vandoren Traditional 2-1/2 (いわゆる青箱)
2019年2月19日の横須賀美術館で開催された野口久光さんを偲ぶ菅原正二氏とのトークショーで、「バンドーレン(野中貿易)のエンドーサーなので青箱30箱ぐらいが年間5回ほど送られてくる。昔はハンドセレクトがあったが今はないので使えるのは10枚中3枚ぐらい。ジャズ用のリード(おそらくJavaのこと?)はティップが厚いので近鳴りで長持ち。自分が使っているのはジャズ用ではないため、ティップが薄いので、本番ステージでへたってくる。毎日2-3時間は楽器を吹いているが、もうエチュードみたいなのはしていない。時間の半分以上はリード選び」と語っている。
ソプラニーノ・サキソフォン / Sopranino
フルート / Flute
参考文献
[*1] サックス・マガジン vol.3